東京都江東区は10日、昨年4月の区長選を巡る公職選挙法違反事件で有罪が確定した木村弥生前区長に対し、支払い済みの給料約1000万円の返還請求を行ったと発表した。退職手当約460万円も不支給とした。
木村氏は先月、同法違反(買収など)で懲役1年6月、執行猶予5年の有罪とした東京地裁判決が確定。公民権は5年間停止された。
判決の確定を受け、区は同法に基づいて木村氏の当選が無効となったと判断。木村氏が在任した昨年4~11月分の給料は不当利得に該当するとして、返還請求を決めた。退職手当は、木村氏が辞職した後の昨年12月から支給を差し止めていた。区は今月9日付で通知を発送し、木村氏側からは返還と不支給について了承するとの連絡を受けたという。
大久保朋果区長は10日の定例記者会見で、「慎重に対応を検討した結果だ。公正な区政の実現に向け、コンプライアンスの徹底を図っていく」と述べた。