元大阪地検検事正の弁護士、北川健太郎容疑者(64)が準強制性交の疑いで逮捕された事件で、大阪高検は12日、同罪で北川容疑者を起訴したと明らかにした。元大阪地検トップで「関西検察のエース」とも呼ばれた北川被告。今後は被告人として公開の法廷で審理を受けることとなるが、検察組織の要職を務めた元幹部が性犯罪で起訴されるのは、極めて異例だ。
大阪高検は6月25日、北川被告を逮捕。その際、詳しい逮捕容疑について「被害者のプライバシーの観点を考慮し、差し控える」として明らかにしなかった。
一方、関係者によると、事件が起きたのは、北川被告が大阪地検検事正を務めていた平成30年2月から令和元年11月までの間。当時入居していた大阪市内の公務員用宿舎(官舎)で、酒に酔った元部下の女性に性的暴行を加えたという。
準強制性交罪は、飲酒や薬物などの影響で抵抗できない相手に性的暴行を加える罪。昨年、相手が不同意の意思を表明できない場合でも罪に問える「不同意性交罪」に統合された。
北川被告は昭和60年に任官。東京地検を振り出しに関西でキャリアを重ね、大阪高検次席検事や最高検刑事部長などを歴任した。高検が容疑者を逮捕、起訴するのは異例で、検事正在任中の事件であることなどが考慮されたとみられる。