秋田県男鹿市の男鹿水族館GAOが13日、リニューアルオープンから20周年を迎える。当時、男鹿市長を務めた佐藤一誠さんに話を聞いた。
水族館を建て替える時、珍しかったホッキョクグマ(シロクマ)を目玉にしようという話が出た。オーストラリアやカナダなど、あちこち探したが見つからず、冗談半分で「シロクマが来なければ、着ぐるみを着る」と言ったのが、本当の話になってしまった。
オープン当日は暑い日だった。着ぐるみの中で汗だくになり、我慢できなくなって頭のかぶり物を取ったところを写真に撮られた。スポーツ紙や全国紙、地元紙に載り、テレビでも放映され、全国から反響があった。「シロクマを着た人だよね」と今でも言われる。語り草となり、着てよかったと思っている。
オープン直前には、男鹿で映画「釣りバカ日誌15」のロケが行われた。私と当時の佐竹敬久秋田市長で松竹を訪ね、誘致した。三國連太郎さんが演じる「スーさん」こと鈴木一之助の会社が水族館を建てた設定で、落成式のシーンもあった。私と佐竹市長、男鹿市役所の職員も撮影に参加した。開館後の来館者数の多さには、映画の宣伝効果もあったと思う。
子どもや孫、遠方からの来客があれば水族館に連れて行くが、GAOは男鹿半島全体の観光に資している。あの場所になければ、半島の先に行く人はいなかったと思う。インバウンド誘致も含め、観光の拠点として頑張ってほしい。
さとう・いっせい 1945年生まれ。男鹿市出身。93年に旧男鹿市長に初当選し、2001年市長選で3選。若美町との合併に伴う05年の新市の市長選で無投票当選、09年まで務めた。