鉛入り粉ミルク飲ませ女児を中毒に、傷害罪で女に実刑判決…「異変訴えられない乳児が標的で卑劣」

毒劇物取締法で劇物に指定されている「酢酸鉛」を粉ミルクに混ぜて、女児に飲ませて鉛中毒を負わせたとして、傷害罪に問われた香川県坂出市、無職の被告の女(38)に対し、高松地裁は12日、懲役3年(求刑・懲役4年)の実刑判決を言い渡した。
深野英一裁判長は「異変や被害を訴えることができない乳児を標的とし、極めて卑劣だ」と述べた。
判決によると、女は2022年7月中旬頃~8月下旬頃、当時住んでいた同市内の自宅で、粉ミルクに酢酸鉛を数回にわたり、混入させ、母親らを介して生後2~3か月の女児に飲ませ、鉛中毒を負わせた。
弁護側は女の刑事責任能力について「心神耗弱」を主張したが、深野裁判長は「粉ミルクに混入するという発覚しにくい犯行態様は合理的なものといえる」とし、完全責任能力を認定した。
量刑理由では、女が女児の母親らの言動を自分に対する嫌がらせと捉え、不満を募らせて犯行に及んだとし「乳児に何の落ち度もなく極めて理不尽な犯行」と指摘。ネットで調べて酢酸鉛を自ら作り、人体への影響を把握したうえで、数回混入しており「 執拗 な犯行で刑事責任は相当に重い」とした。

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