為替相場の変動を予想して投資する「バイナリーオプション」を巡り、交流サイト(SNS)を通じ現金をだまし取ったとして、大阪府警は23日、詐欺容疑で大阪市内のビル4カ所にあるグループ拠点を一斉に家宅捜索した。SNS型投資詐欺の拠点摘発は全国初。拠点には最大80人が出入りしていたとみられ、府警は捜査員約470人を動員。同容疑で大阪市西区新町の山田吉彦容疑者(43)や大阪市浪速区の島内大起容疑者(40)ら8人を逮捕し、他のメンバーも容疑が固まり次第逮捕する。
逮捕・捜索容疑は今年1~3月、20代と30代の女性2人に、SNSを通じバイナリーオプションの投資を持ちかけ「必ず利益が出る」などと偽り、指導料や情報商材購入費用名目で計約330万円をだまし取ったとしている。
府警によると、60人程度と20人程度の2グループが活動。手口が酷似しており、関連性を調べている。府警は少なくとも150人の被害者を把握。被害総額は10億円近くに上るが、今後増える見込みという。
府警は拠点からスマートフォン約1830台、パソコン約60台、マニュアルなどを押収。グループの実態解明を進める。
警察庁は1~5月に全国の警察が認知したSNS型投資詐欺の件数は3049件だったと公表。被害総額は約430億2千万円で、昨年同期と比べて約381億円も増えている。