大雨特別警報が発表されるなど記録的な雨量となった山形県酒田市などでは25日、床上浸水や断水といった被害が報告された。住民は「今夜は眠れそうにない」と不安そうに話した。
山形県によると、県内では午後6時時点で、冠水などにより計44カ所で道路が通行止めとなった。遊佐町などでは住宅5棟が浸水。16市町村で避難所が開設され約1000人が身を寄せた。日向川などが氾濫した酒田市では、集落1カ所が孤立状態となった。
酒田市の女性(70)は「こんな大雨は初めて。自宅近くの川があふれないか心配で、今夜は眠れそうにない」と話した。同市のクリーニング店の女性従業員(76)も「店の前の道路はあっという間に水量が増え、川のようになった。これから床上浸水した店を掃除する」と疲れた様子で語った。
秋田県では、由利本荘市内の子吉川などが氾濫した。水道管の破裂などにより午前11時時点で3市の58戸が断水した。全面通行止めとなる道路も相次ぎ、土砂崩れも発生。午後3時時点で42棟の住宅で床上浸水などが確認された。
同市で酒店を営む女性店主(67)は、近所に住む顔見知りの消防団員から電話が来たといい「明るいうちに避難しないといけない」と話した。同市の飲食店の女性従業員(51)は「子吉川の堤防が決壊したらどうなるのか」と不安そうな様子だった。
[時事通信社]