兵庫県は31日、主要施策を担当する小橋(こばし)浩一理事を部長職に降格し、総務部付とする人事を発表した。斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題の対応などに起因する体調不良が理由。一連の問題の責任を取って辞意を表明していた片山安孝副知事は同日、辞職した。知事を支える特別職は1日から服部洋平副知事のみとなり、県政の停滞と混迷が懸念される。
小橋氏は4月、総務部長から理事に昇格。知事の看板施策「若者・Z世代応援事業」などを担当した。2021年の知事選から斎藤知事に近かった一人とされ、元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が作成、配布した告発文は、事前運動に関わった疑いを指摘。疑惑について県は内部調査で「事実はなかった」と否定していた。
だが7月22日、「現在の県政を取り巻く状況で職務遂行にあたるには心身ともに厳しい」として休暇を取り、24日に降格を伴う異動願を提出していた。
一方、辞職した片山副知事は31日、報道陣の取材に「特別職の誰かが責任を取らないといけない。百条委員会(県議会調査特別委)にはしっかり対応する」と話した。知事については「県内の首長や経済界からも出処進退を問う声が上がっている。現状を十分認識して判断されるべきだ」と、辞職を促した。【中尾卓英】