原爆の日を前にすると様々な記憶がよみがえるという方も多いと思います。
79年前のあの日に見たキノコ雲、その色について忘れられない記憶を持つ人を取材しました。
「暑いけど、どんな?血圧は大丈夫かな?」
原田康夫さんは93歳。いまも現役の医師です。
原田さんにはもう一つの顔があります。テノール歌手としても活躍し、一日、一日を大切に生きることを謳歌しています。
原田さんには79年前に見た忘れられない光景があります。それはあの日、多くの人が見た原爆のキノコ雲です。
■原田さん
「空を見たら呉のほうへ向いてきているような感じがした。もくもくもくもくと上がってきたから。その中がピンクだった。みな驚いて、あれ(キノコ雲) が爆発するんだろうと、もう一回爆発すると思うわけ。」
多くの人が原爆資料館で見るキノコ雲はモノクロ写真のため、色がついていたのか分かりません。
被爆者が絵にしたキノコ雲は、ピンク色で描かれていました。原田さんと同じ呉市内から見たものでした。
■原田さん
「同じように色がピンクだった。このようなかった。爆発した瞬間は三重の雲。それからしばらくしたらもくもくもくと。その間は30秒もかかってないからね」
原田さんは当時、広島一中の2年生でした。8月6日は市内で、建物疎開の作業をする予定でしたが引率の先生の判断で休みとなり、直接の被爆は免れました。
亡くなった多くの仲間たちと運命を分けることになりました。
■原田さん
「なんで生き残ったのかなと思って。運が良いから、運が良いのおと思っている。広島に関係していた人は、誰かが犠牲者になっている。8月6日という日は特別な日ですよ。」
【2024年8月5日放送】