大阪府門真市で当時中学3年の男子生徒がSNS上で同級生らから誹謗中傷の書き込みを受けるなどのいじめを苦に自死した問題で、5日に遺族は市と加害生徒11人を相手取り損害賠償を求める裁判を大阪地裁に起こしました。 大阪府門真市立の中学校に通っていた3年の男子生徒はおととしの2022年に自ら命を絶ちました。 市の第三者委員会は、同級生らが男子生徒に対してSNS上で「死ね」などと匿名で投稿したコメントや、Aさんが含まれないLINEのグループでの陰口など、計62件をいじめと認定し、いじめと自殺との因果関係を認めました。また、学校側も、男子生徒や母親が被害を訴えていたにもかかわらず「いじめ」として対応しなかったなど、「法的ないじめ対応の意識が根本的に欠けていた」と厳しく指摘しました。▼『どつきまわすぞ』『なんで4なないの』SNSに書かれた書き込み『どつきまわすぞ』『なんで4なないの』生前、男子生徒のSNSにはこうした匿名の投稿が書き込まれ、亡くなる直前まで続いたといいます。さらに、誹謗中傷は男子生徒のいないLINEグループでも繰り返されていました。▼遺族「もう計画的な殺人やと思います」報告書の公表後も加害生徒らから納得のいく謝罪はなく、両親は傷害罪で刑事告訴を試みましたが、警察に受理されなかったといいます。(母親)「私はもう計画的な殺人やと思っています。旅立つ決断をしたのは息子ですけど、背中を押したのは加害者やと思っています」「もう正直、無力感。母親として結局、何もしてやれてない」「(第三者委に加害者と)認定されていることを、まだご理解できてないのであれば、理解していただかないと。認めていただかないと」そこで両親は「民事提訴」を決断しました。遺族側によりますと、男子生徒は、加害生徒らからSNS上で誹謗中傷を受けたり、自分の含まれないLINEグループで陰口を言われたりしたで心理的負荷が強まったことや、こうしたいじめ被害を学校に訴えていたにもかかわらず、教員らが適切な対応を取らなかったことも加わって、不登校などの適応障害を発症し、自死したと主張。市と加害した生徒11人に対し、8月5日に損害賠償を求める裁判を大阪地裁に起こしました。