宝飾店で店員刺され死亡 強盗殺人未遂容疑で中国籍の27歳逮捕

7日午後1時35分ごろ、大阪市中央区心斎橋筋1の宝飾店「トキオカ心斎橋店」で、客を装った男性に店員の弘中辰弥さん(30)=同市鶴見区=が包丁で刺された。弘中さんは搬送先の病院で死亡が確認された。刺したとみられる男性は店から高級腕時計(販売価格6280万円相当)を奪って逃走したが、関西国際空港にいるのを大阪府警の捜査員が見つけ、強盗殺人未遂容疑で緊急逮捕。容疑を強盗殺人に切り替えて調べる。
逮捕されたのは中国籍の后馭波(ほうゆぼ)容疑者(27)。容疑を認めているという。店から奪われたものと同種の高級腕時計を所持していた。府警は容疑者が出国しようとしたとみている。
府警捜査1課などによると、后容疑者は7日午後1時25分ごろに1人で店を訪れ、ショーケース内の高級腕時計を間近で見せてほしいと別の店員に依頼。この店員と店の奥の商談スペースで腕時計を見ていた時に包丁を突然ちらつかせ、腕時計を持ち去ろうとした。弘中さんは異変に気付いて店の出入り口に立ち塞がり、后容疑者に腹部を刺されたという。后容疑者はそのまま逃走。弘中さんを刺すのに使ったとみられる包丁は店近くの空き地で見つかり、府警が押収した。弘中さんは同日夕、搬送先の病院で亡くなった。
府警が后容疑者の行方を追っていたところ、店から南に約1・3キロ離れた南海電鉄難波駅を利用して関西国際空港に向かった可能性が浮上。捜査員が国際線ターミナルを歩いている后容疑者を発見した。職務質問すると容疑を認めたことから、午後4時過ぎに強盗殺人未遂の疑いで緊急逮捕した。
被害に遭った宝飾店は大阪メトロ心斎橋駅から南東約120メートルにあり、大勢の観光客らが行き交う心斎橋筋商店街に面している。店の周囲には規制線が張られ、付近は騒然となった。
近くにいた50代の男性会社員は「(弘中さんとみられる)若い男性が腹部を押さえてぐったりしていた」と話した。仕事で近くを訪れた20代の女性会社員は「容疑者とみられる男性が刃物のようなものを持っていたのを見た。怖かった」と顔をこわ張らせた。【林みづき、川地隆史、小坂春乃】

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