悪徳兄弟ホストらは掛金回収が不能になった女性客のプロフィルを全国の風俗店に送り、最も高い報酬を提示したソープランドに売り飛ばしてキックバックを得ていた。
売掛金を取り立てるため、女性客に売春を強要したソープから紹介料を受け取ったとして警視庁保安課は3日、東京・歌舞伎町のホストクラブ「SINCE YOU α」の従業員、小保方行志朗(28)と風俗スカウトの渡辺善生(34)、いずれも風俗あっせん業者の宗優作(44)と小島誠也(31)ら4容疑者を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益収受)の疑いで逮捕した。ホストが「スカウトバック」名目で風俗店から紹介料を受け取り、摘発されるのは初めてのこと。
男らは昨年3~5月、女性客(当時19)が大分県別府市のソープ「SUPERMAX STAGE2」で売春して得た収入のうち40万5000円を犯罪収益と知りながら受け取った。女性客は2022年10月、小保方容疑者と同じ店でホストをしていた弟にナンパされて店に通い始め、約460万円使わされた。売掛金が払えなくなると、「このままではムショ行きになるよ」と脅され、兄の小保方の友人だった渡辺容疑者を通じてソープで働かされていた。
「渡辺は女性客から身長、体重、スリーサイズ、ブラのサイズ、マットプレーの可否、NS(ノースキン)OKかなどを聞き取り、ブラジャー姿の写真を添付したプロフィルを作成して、風俗店に売り込んでいた。ソープ側が一定の報酬を約束する『最低保証金』を設定し、全国6つの店舗に書類を送り、いくらまで報酬を出せるか競わせていた。最も高額だったのが、『10日で60万円』を提示した大分のソープでした。最低保証金とは、仮に54万円しか売り上げがなかった場合、残り6万円を店側が保証する制度です」(捜査事情通)
「SUPERMAX STAGE2」のHPによると、1時間の「セカンドマックスコース」は2万1000円から。ソープ嬢の取り分は売り上げの6割で、店には4割が入る仕組み。スカウトの仲介があった場合は、売り上げの9%を「スカウトバック」として店側が負担していた。
「女性客に高額な売掛金を負わせ、風俗店に沈める組織的な売春あっせんは全国で行われています。小島は出稼ぎの女性を中心に地方に派遣していて、30店舗と契約を結んでいた。4年ほど前から複数の店舗で保証金額を競わせ、これまで約1300万円を受け取ったとみられている」(前出の捜査事情通)
悪徳ホスト、風俗スカウト、風俗あっせん業者が結託し、「人身売買」とは、やることがあくどい。