東北道4人死傷事故 高速逆走事案は2日に1回発生、死亡割合15倍 高齢ドライバー多数

栃木県那須塩原市の東北自動車道下り線で15日午前、逆走してきたとみられる車両が正常走行中の車両と正面衝突し、4人が死傷した。高速道路での逆走事案はおおよそ2日に1回のペースで発生しており、関係機関が注意を呼びかけている。
NEXCO東日本によると、平成30年に全国の高速道路で起きた逆走事案は200件。27年の259件から減少傾向にあるが、2日に1回程度の頻度で起きている。発生場所(逆走開始地点)は「インターチェンジ(IC)」が各年とも最多で、「本線」も多い。
実際に事故に至った件数は、28年が57件(うち死亡7件)、29年44件(同5件)、30年32件(同1件)で、こちらも減少傾向にある一方、逆走事故で死者が出る割合は、高速道路での事故全体での死亡割合に比べ15倍高く、危険性が際立っている。
逆走した運転手は高齢者が多く、23年から令和4年の間で年齢の確認が取れた逆走事故・事案では、全体の約7割が65歳以上だった。
主な動機では、目的のICを通り過ぎてしまい本線をUターンするといった「故意」のケースや、一般道からの進入箇所を間違うなどの「過失」、逆走を終えた時点でも認知症などで本人に自覚がない「認識なし」などがある。平成29年と30年の比較では、故意は1割減、認識なしも1割減だったが、過失は1割増加した。
電光掲示板などで逆走車の発生を認知した際の対処法では、逆走車は追い越し車線を走行してくる傾向があるとして、同社は走行車線を走るよう推奨。自身が逆走しているかどうかの判断材料としては、▽中央分離帯が進行方向の左にある▽標識が裏側を向いているーなどを確認するよう求めている。

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