日本原燃は、9月末までを目標としていた使用済み核燃料の再処理工場(青森県六ヶ所村)の完成について、2026年度末頃に延期する方針を固めた。原子力規制委員会の新規制基準による審査への対応に手間取っているためで、1993年に着工したが、完成の延期は27回目となる。
関係者によると、審査後の手続きなどを含め、さらに2年半程度の期間が必要だとみられる。規制委が今月下旬に予定している「設計及び工事の計画の認可」の審査会合を経て、正式に延期の幅を決定する見通しという。
再処理工場は、国が推進する「核燃料サイクル」の中核にあたる施設で、原子力発電所で生じた使用済み核燃料から、再利用できるプルトニウムやウランを取り出す事業を担う。当初は97年の完成を計画していたが、提出書類の不備が度々指摘されるなどし、完成の延期が繰り返されてきた。
使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設(青森県むつ市)が9月までに稼働予定で、国は燃料の搬出先として六ヶ所村の再処理工場を念頭に置いている。完成の延期によって、搬出先の確保に懸念が生じる可能性もある。