大慌てで自民総裁選出馬へ…“後出しジャンケン”やめた小泉進次郎の思惑と「アキレス腱」

あの“客寄せパンダ”の出馬が確定的になってきた。
自民党の小泉進次郎元環境相が、総裁選(9月12日告示、27日投開票)に出馬する意向を固めたとして、21日メディアが一斉に報じた。本人は報道陣の問いに「一つ一つお答えすることは控える」と認めなかったが、立候補に必要な推薦人20人の確保もメドをつけたという。正式表明の時期は調整中だ。
進次郎は出馬表明のタイミングについて「最後の最後までもったいぶる」(永田町関係者)と、後出しジャンケンになるとみられていた。知名度バツグンなだけに「急いで表明する必要はない」(同前)からだ。告示まで1カ月近く残す今、出馬観測が突如、出てきたのには理由がある。「コバホーク」こと小林鷹之前経済安保相の存在だ。
「一番乗りで出馬表明した小林さんの陣営に複数の中堅・若手議員が流れてしまっています。進次郎さんに近い議員が支援要請したのに『もう小林支援を決めてしまった』と断られたケースもあるそうだ。何とか引き留めるため、進次郎さんは慌てて出馬意向を周囲に伝えたということ。小林さんに注目が集まり埋没してしまうことも恐れているのでしょう」(官邸事情通)
他にも思惑がある。
「小林さんは出馬会見での発言が迫力不足で、特に裏金事件への踏み込みが足りなかった。支援する議員の多くが組織的な裏金づくりをやっていた安倍派所属のため、彼らに配慮しているとみられています。一方、進次郎さんを支援するのは菅前首相に近い無派閥議員が中心で、裏金事件とは無関係。進次郎さんは事件に厳しい姿勢を示して『真の改革派』を前面に出し、小林さんとの違いを強調するつもりだろう」(同前)
長老の存在はかき消したい?
ただ、進次郎の狙いが奏功するとは限らない。出馬の意向がハッキリしたことで、今後、投開票までの約5週間、メディアに根掘り葉掘り探られ続けることになる。
「注目度が高い進次郎さんは、過去の失言やスキャンダルを徹底的にほじくり返されるのは確実。新たな女性問題などが噴出したら、大ダメージだ」(自民党関係者)
早速、「気候変動問題にはクールでセクシーに取り組む」といった過去の“迷言”がテレビで報じられているほど。
進次郎と面識がある政界関係者によると「進次郎さんはサービス精神旺盛で、演説で面白いエピソードを盛り込もうとするが、ピントが外れてスベってしまう」そうだ。長い選挙期間中に、さらなるトンデモ発言が飛び出し、ボロが出る可能性もある。
最大のネックは背後にいるとされる長老・森喜朗元首相の存在だ。
「森さんは進次郎さんをバックアップすることで、バラバラになった安倍派の一部をまとめたいと考えているようだ。森さんの姿が見えれば見えるほど、『刷新感』は薄れ、進次郎さんにとってマイナスです。進次郎さん本人は、何とか森さんの存在をかき消したいと考えているはずだ」(閣僚経験者)
やっぱり、告示ギリギリまで黙っていた方が良かったんじゃないか。
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■関連記事では、自民党総裁選をさまざまな角度から切って報じている。

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