クマ被害相次ぐ秋田、県警が新装備を導入 防護効果は「未知数」

クマによる人身被害の危険を減らそうと、秋田県警は7月末から新装備品の配備を始め、8月20日に秋田市内で報道陣に公開した。上半身の防護力がさらに向上したとしているが、県警は「実際のクマで実験をしたわけではなく、本当に防護効果があるかどうかは未知数」として、今後実用の機会を増やし、効果を確かめていくという。
県警地域課によると、新たな装備品はクマが特に顔や目を狙うことが多いとして、顔や頭を守るヘルメットや、首や上半身を覆う厚めの素材を使用。上半身の防護を強く意識している。20着の導入を予定し、遭遇の危険が高い地域を抱える鹿角署や仙北署、また山岳遭難の対応が多い由利本荘署、住宅地などでの突然の出没が懸念される秋田市内を管轄する秋田中央署に順次配備するという。
県警は装備品の材質や製造業者、市販の有無については公表していない。県警地域課の金田弘巳次長は「引き続きクマ対策に万全を期す」とコメントした。
秋田県内では2023年、各地でクマが出没して計70人が襲われ、負傷者は47都道府県で最も多かった。今年5月には鹿角市でタケノコ採りをし、行方不明になった男性の搬送作業に携わった警察官2人も襲われて顔などを負傷している。【工藤哲】

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