神奈川県警また不祥事、戸部署長の「苛烈パワハラ」を隠蔽か? 課長2人が出勤不能に

「不祥事のデパート」として名高い神奈川県警がパワハラをめぐり、大揺れしていることが日刊ゲンダイの取材でわかった。
現場は、横浜駅やみなとみらい地区などを抱える横浜市西区を管轄する戸部署。およそ300人の署員を擁する大規模署だ。パワハラ疑惑が浮上しているのは、今春の定期人事異動で相模原市警察部長から戸部署長に転じた中田好一警視正(58)。その苛烈な言動により、精神的に追い込まれた生活安全課長と地域課長は出勤不能に陥っているという。
中田署長の着任は3月15日付。間もなく、署内を不穏な空気が支配するようになる。
■課長2人が出勤不能
「ノンキャリの中田署長は口にするのもはばかられるような罵詈雑言をまき散らし、少なくない署員が参っている。気に入らない署員は署長室を出入り禁止にし、その数は2ケタに及ぶ。そうして、矢面に立たされる格好となった幹部2人がダウン。生安課長は休職し、地域課長は療養中です。異常事態にもかかわらず、多くの署員が口を閉ざしている。『中田署長』が存在する限り、ヘタに動けば昇任の目も昇給の目もなくなるからです」(県警関係者)
実力組織である警察のパワハラの凄まじさは想像を絶する。生殺与奪を握るトップの仕業となれば、なおさらだ。紆余曲折を経て県警本部に報告が上がったものの、内部の不祥事ゆえに腰が重いという。
「戸部署幹部を断続的に事情聴取していた監察官室は、7月末以降に作業を本格化。加害者の中田署長をはじめ、副署長、次長のほか、被害者の生安課長や他課の課長も対象です。ただ、中田署長が〈指導しただけだ〉と強弁すれば裏取りが非常に難しい。そうでなくても、戸部署長は警視正が就くポストの中でもトップ。この先は本部の生安部長、あるいは地域部長へと上がり、警視長への昇任がほぼ約束されている。天下りは言うまでもない。『県警のエース』を潰すわけにはいかないという組織の論理で隠蔽されるのではないか。そうした懸念が広がっています」(県警事情通)
県警本部に事実関係を問い合わせると、監察官室がこう回答した。
「現在調査中です。調査結果を踏まえて、適切に対処してまいります」
そろそろ、秋の人事が内示されるタイミングだ。県警は人よりも組織を守るのか。だとしたら、安全安心な市民生活の確保なんて期待できない。

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