未成年への販売禁止の「不健全図書」、名称を「8条の規定による図書」に…東京都が今月変更へ

東京都は今月中にも、過激な暴力や性描写があるために未成年への販売を禁止する書籍について、「不健全図書」との名称をやめる方針を固めた。言葉のイメージが悪く、本来許されている成人向けに書店や大手通販サイトが販売を自主規制している現状があるとして、100人超の漫画家らが名称変更を求めていた。
都青少年健全育成条例は第8条で、青少年の健全育成を阻害するとして、「性的感情を著しく刺激する」「残虐性を甚だしく助長する」と判断した図書などを「不健全図書」に指定できるとしている。指定されると都の公報やホームページで周知され、都内の書店などに対し、未成年への販売禁止や成人コーナーへの区分陳列が義務づけられる。昨年度の指定件数は6件だった。
複数の都関係者によると、今月中にも名称変更する予定で、都公報や書店への通知文で指定図書を知らせる際、表記を「8条の規定による図書」に変更する。
「不健全図書」の名称を巡っては、「はじめの一歩」の森川ジョージさんら漫画家有志が今年3月、「世間的に存在自体を許されないイメージを与えてきた。表現活動の 萎縮 や経済的損害を招いている」と訴え、都議会に名称変更を要望。「あしたのジョー」のちばてつやさん、「名探偵コナン」の青山剛昌さんら人気漫画家112人が賛同した。この動きに合わせ、立憲民主党は名称変更の条例改正案を提出する構えを見せ、地域政党・都民ファーストの会も都に改善を求めていた。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする