台風で急きょ下校繰り上げ、福岡市教育長が謝罪「風雨の中で登校させご心配おかけした」

台風10号が九州北部に接近した8月29日、福岡市立学校の下校時間が急きょ繰り上げとなり、混乱が生じた問題で、2日の市長定例記者会見に同席した福岡市教育委員会の石橋正信教育長は、「風雨の中で登校させ、保護者にご心配をおかけしたことについて改めてお 詫 びしたい」と謝罪した。今後については、他都市の事例を参考に休校の判断基準を明確化し、対策を講じていく考えを示した。(原聖悟)
市教委によると、8月29日の授業については、午前中まで行い、給食後に下校するよう前日に市立小中高校と特別支援学校に通知していた。しかし、29日早朝の暴風警報発表などを受け、当日になって、登校後に速やかに下校させる方針に変更。しかし、各校にこの決定を知らせたのは、登校時間帯の午前7時44分頃で、学校側や保護者らは急きょ、下校や帰宅することになった児童・生徒の対応に追われることになった。
当時の判断について石橋教育長は、「暴風域に入る段階の情報をキャッチして早く対応すべきだったと考えている」と反省を口にした。今後については、今回の台風で早期に休校の判断をした北九州市などの事例を参考にする方針を示し、「休校の判断基準を明確化して、気象が急変することを前提としたリスク管理、対応策などを早急に検討したい」と述べた。
市教委は、昨年7月の記録的な大雨でも、休校の連絡が遅れ、それを知らずに登校した児童・生徒数は、推計で約170校の約1300人に上っていた。この際は、メールシステムの障害などもあったが、市議会からは休校の判断や連絡の遅れを指摘されていた。
休校の判断基準が1年過ぎても明確化されていないことについて、石橋教育長は「(基準を設けるのが遅いという)ご意見にはあらがうことはできない。大雨の基準の検討をしていたが、今回は虚を突かれた台風だった。大雨、台風ともに対策をしたい」と話した。

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