若者に広がるオーバードーズ 市販薬乱用、10代の経験割合高く

女子中高生3人を自宅に連れ込んだとして、東大阪市の無職、小坂光容疑者(26)が未成年者誘拐容疑で逮捕された。3人のうち女子高校生1人は容疑者宅で心肺停止状態で発見され、その後死亡が確認された。大阪府警は市販薬の過剰服用による「オーバードーズ」が原因の可能性があるとして経緯を調べている。
せき止め薬やかぜ薬など市販薬を過剰に服用する「オーバードーズ」の問題は、若者の間で深刻化している。厚生労働省の研究班が2023年に実施した全国調査で、過去1年間に市販薬を乱用した経験があると答えた15~64歳は0・75%となり、約65万人に上ると推計された。年代別の割合は10代(15~19歳)が1・46%(推計約8万5000人)と最も高くなった。
市販薬は薬局やドラッグストアで簡単に購入でき、インターネット上には「気持ちよくなった」「つらい気持ちが和らいだ」といった多量服用の体験談とみられる記述が見つかる。しかし、中毒症状から死に至る可能性があり、厚労省は注意を呼び掛けている。
厚労省の資料によると、全国の精神科医療施設で薬物依存症の治療を受けた10代について、原因となった主な薬物を調べたところ、14年に0%だった市販薬の割合が20年には56・4%と急増していた。【林みづき】

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