兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などが文書で告発された問題を巡り、県議会調査特別委員会(百条委員会)が5日午前、始まった。冒頭で、午後に証人として出頭予定だった前総務部長の井ノ本知明氏は、心身の不調や脅迫があったことなどを理由に欠席することが報告された。
井ノ本氏は県の人事当局トップとして、文書を作成、配布した元県西播磨県民局長の男性(60)=7月に死亡=の懲戒処分を主導したとされる。証人尋問では、当時の経緯や斎藤氏とのやり取りなどについて、どのように証言するか注目されていた。
8月に病気療養を理由に総務部付(部長級)に異動。告発内容とは関係がない男性の私的情報を漏洩(ろうえい)した疑いがあるとして、県は井ノ本氏の調査を検討している。井ノ本氏は、心身の不調が回復しないことや自身への殺害予告があったことなどを挙げ、4日付で欠席届を提出したという。
この日の百条委ではまず、公益通報制度に詳しい上智大の奥山俊宏教授が参考人として出頭。男性が県の公益通報窓口に通報後、内部調査で男性を懲戒処分とした県の対応について意見を述べる。
午後には、県内企業から高級コーヒーメーカーを受領した産業労働部長の原田剛治氏が証言する。受領が判明した直後、原田氏は斎藤氏からの指示について否定していた。
6日には、元副知事の片山安孝氏と、斎藤氏の証人尋問が予定されている。