紅麹サプリ被害、公表遅れが「憤り一番大きい」 初提訴、注目される司法判断

小林製薬の紅麹(べにこうじ)サプリメントを巡る健康被害問題を巡り、大阪地裁に損害賠償請求訴訟を起こした40代男性の代理人弁護士が4日、大阪市内で取材に応じ、小林製薬の情報開示の遅さが「原告の憤りが一番大きい部分」だと述べた。発覚当初から批判を集めてきた情報開示の姿勢。全国初となる今回の訴訟でも、公表遅れに対する司法判断が注目される。
「公表が早ければ、買うことはなかった。小林製薬に謝罪を求める気持ちもある」。男性の思いについて、代理人の大曽根直紀弁護士(大阪弁護士会)はこう説明した。
小林製薬は慰謝料を含む補償の申請受付を8月19日に始めているが、「まだ算定基準が分からない。訴訟を通じ、いち早い被害回復を図りたい」と述べた。
小林製薬が公表した検証委員会の報告書によると、1月15日に医師から腎障害の症例報告を初めて受け、2月1日には別の医師から3件の症例報告があった。同6日には創業家の小林章浩社長(当時)に問題を報告。その後、小林一雅会長(同)にも詳細を報告したが、行政への報告や記者会見は3月22日で、最初の被害把握から2カ月以上が経過していた。

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