東京23区での熱中症死者、過去最多252人に…屋内でエアコン使わず死亡のケース目立つ

東京23区で今夏(6月以降)に確認された熱中症死者数が今月5日に252人(速報値)となり、過去最多を更新したことが東京都監察医務院への取材でわかった。9割が60歳以上で、屋内でエアコンを使わずに死亡するケースが目立つ。
都監察医務院によると、年齢別では80歳代が99人と最多で、70歳代が83人、90歳以上が32人、60歳代が27人と続いた。252人のうち屋内での死亡が243人で、このうち158人はエアコンを使用せず、58人は室内にエアコンが設置されていなかった。
東京23区の夏季(6~9月)の熱中症死者は2022年の251人が最多だった。今年は6月は3人だったが、猛暑となった7月が123人、8月は122人に上り、今月1~5日も計4人の死亡が確認された。厳しい残暑が予想され、東京消防庁は水分補給などの対策を呼びかけている。
熱中症に詳しい松山大の田中英登特任教授(環境生理学)は「高齢者の中には温度感覚の低下で室温が高くても『暑い』と感じず、汗をかいて体内の熱を逃がせずに熱中症になる人がいる。最低気温が25度を下回らない限り、エアコンをつけ続けてほしい」としている。

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