特定危険指定暴力団「工藤会」について、Q&Aでまとめました。
Q 福岡県警本部に「五代目工藤会壊滅作戦推進中」という垂れ幕が掲げられているのを見たよ。工藤会って何?
A 工藤会は北九州市に拠点を置き、山口組や住吉会など全国にある25の指定暴力団の中で唯一、暴力団対策法に基づく「特定危険指定暴力団」に指定されています。意に沿わない一般人への襲撃などを繰り返したなどとして2012年に初めて指定され、更新され続けています。組員らが警戒区域で用心棒代などの不当要求をした場合、警察は即逮捕できます。
Q 壊滅作戦はいつ始まったの?
A 14年9月11日、工藤会総裁の野村悟被告(77)を殺人容疑で逮捕したのが始まりです。トップを逮捕したことから「頂上作戦」と呼ばれています。県警は14年9月~23年に延べ451人の構成員を検挙し、工藤会からの離脱・就労支援にも取り組んでいます。
Q 開始から9月でちょうど10年だね。「推進中」ということは今も続いているの?
A はい。県内の工藤会の構成員は540人(13年末時点)から3分の1以下の160人(23年末時点)に激減しましたが、組織の壊滅には至っていません。象徴とされた本部事務所は撤去された一方、関連団体が首都圏で勢力を拡大中との情報もあり、県警は警戒しています。
Q 今後は何が注目されているの?
A 野村被告の裁判です。野村被告は市民が襲撃された4事件を巡り、殺人罪などで起訴されましたが、全事件で無罪を主張しています。福岡地裁は野村被告の指示を全て認定し死刑を言い渡しましたが、福岡高裁は一部を無罪とし無期懲役としました。検察、被告の双方が上告しています。野村被告が組織に与える影響力は依然として大きいとみられ、最高裁の判断が注目されます。