北海道・知床半島沖で2022年4月、死者・行方不明者26人を出した観光船「KAZU I(カズワン)」沈没事故で、道警は11日、事故発生から10日後の船内を撮影した水中カメラの映像を公開した。報道各社の取材に対し、情報提供した。映像は約50分間で、客室座席の座面などが船内に散乱し、大きく割れた窓ガラスから海水が流れ込む状況が映っていた。
映像は、行方不明者の捜索に当たっていた道警の無人潜水機が22年5月3日に撮影。椅子の座面などが散乱し、不明乗客の家族に返還された遺留品の黒いリュックなどが確認できる。船前方の窓ガラスが大きく割れ、海水が激しく流れ込む様子も記録されていた。
道警は同年6月以降、視聴を希望する遺族らのみに映像を公開し、情報公開請求に対しては非開示と回答していた。しかし、道公安委員会が今年8月、開示するべきだと裁決したため、報道各社に情報提供した。今後、希望する遺族らにはDVDで提供する予定という。
[時事通信社]