「ようやく」「喜ばしい」=和解へ合意も、思い複雑―強制不妊訴訟の原告ら

旧優生保護法に基づき不妊手術を強制された被害者らが国に損害賠償を求めている訴訟は13日、和解に向けた合意が成立し、終結に向かう見通しとなった。「ようやく」「喜ばしい」。合意書に調印後、東京都内で記者会見した原告や弁護団は一刻も早い全面解決を望んだ。
7月の最高裁判決で勝訴が確定した東京都の原告北三郎さん(仮名、81)は「ようやく合意した」とかみしめるように語った。全国で初めて提訴した宮城県の原告の義理の姉、佐藤路子さん(仮名、60代)も「6年7カ月という月日を経て、きょうの合意は喜ばしい」としつつ、「不本意なところもある」と複雑な思いを口にした。
訴訟を起こしていない被害者に補償するため、超党派の議員連盟が検討している新法への期待の声も聞かれた。聴覚障害のある名古屋市の原告尾上一孝さん(77)は手話通訳を通じ、「高齢なので一刻も早く救済する法律をつくって進めてほしい」と話した。
全国弁護団共同代表の新里宏二弁護士は「合意書を踏まえて各地で早急に具体的な事件での和解を進めていきたい」と述べた。
[時事通信社]

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