自民党総裁選、沖縄で外交・安保巡り論戦…石破氏は「日米地位協定見直し」明言

自民党総裁選(27日投開票)の演説会が17日、那覇市内で開かれ、9人の候補者が出席した。石破茂・元幹事長(67)は日米地位協定の見直しなどの持論を訴えた。政府・自民内では、継続性が求められる外交・安全保障政策の急激な転換を危ぶむ声が出ている。
「地位協定の改定に着手すべきで、(米軍)基地は自衛隊と共同管理にする」
石破氏は演説会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に隣接する沖縄国際大に米軍ヘリコプターが墜落した事故を振り返り、こう強調した。
地位協定を巡っては、沖縄県内に抜本的な改定を求める声が強いが、政府はこれまで補足協定の締結や運用改善などで問題に対処してきた。
これまでの討論会などで、石破氏と、高市早苗経済安全保障相(63)は外交・安保に関して独自色が際立っている。
両氏は核政策の見直しにも言及しており、石破氏は米国と核兵器を共同運用する核戦力共有、高市氏は非核三原則の見直しに向けた議論の開始をそれぞれ求めている。
高市氏は首相としての靖国神社参拝や、中国が日本の排他的経済水域(EEZ)内に設置したブイの撤去を明言し、中国などへの強硬姿勢が鮮明だ。
両氏のスタンスに、閣僚経験者は「これまでの政府方針を大きく変えるもので混乱が生じかねない」と懸念を漏らした。
候補者の発言に対し、認識の甘さを指摘する声もある。石破氏は14日の公開討論会で、米国のトランプ前大統領が11月の大統領選に勝利し、日米同盟の追加負担を求めた場合、「誰が大統領でも数字をおさえて議論すれば、私どもの主張の正当性はきちんと認められる」と自信を示した。
小泉進次郎・元環境相(43)は北朝鮮の拉致問題に関し、自身が 金正恩 朝鮮労働党総書記と同世代だと述べ、「トップが動く外交で新たな展開を切り開きたい」と意欲を示した。
ただ、外務省幹部は「トランプ氏に正論をぶつけ、関係が悪化した首脳は多い。北朝鮮問題はトップ外交につなげる戦略の具体性が不可欠だ」と指摘した。

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