今冬の新型コロナ、インフルと同時流行も 「高齢者はワクチン接種検討を」

奈良県医師会の安東範明会長は19日の定例記者会見で、今夏の新型コロナウイルス感染「第11波」での感染者数は収束しつつあるものの、足元ではインフルエンザの感染者が出始めており、今冬も新型コロナと季節性インフルエンザの同時流行が懸念されるとの認識を示した。
安東会長によると、昨年末~今年始めの県内のインフルエンザ感染者数は、昨年12月と今年2月ごろに2つのピークがあり、ともに警報基準の1定点医療機関あたり30人を超えていた。今年も同様の流行が懸念され、新型コロナのピークと重なる可能性もあるとした。
また今夏の第11波では、昨夏の9波や昨冬の10波と比較して感染者数のうちの入院者数の割合が大きい傾向があり、新型コロナのワクチン接種から時間が経過している人が増えたことや、抗ウイルス薬の処方が減少し重症化する患者が増加したことが要因となっている可能性があるとした。
この傾向は12波でも継続する可能性があり、安東会長は「基本的な感染対策とともに、65歳以上や基礎疾患がある人はインフルエンザを含めたワクチン接種を検討してほしい」とした。その上で、高齢者や基礎疾患のある人への抗ウイルス薬の公費補助や、医療逼迫(ひっぱく)を防ぐために医療従事者へのワクチン公費補助の復活を国にお願いしたいとした。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする