安倍晋三元首相と旧統一教会の「面談」スクープ 鈴木エイト氏が説く“追及のカギ”「注目すべきは集合写真に萩生田光一氏と岸信夫氏が写っていたこと」

〈安倍氏、旧統一教会会長と面談か〉──自民党総裁選の最中、朝日新聞の一面(9月17日付朝刊)に大見出しが踊った。記事によると2013年の参院選直前、安倍晋三・首相(当時)が旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の会長らと自民党本部の総裁応接室で面談。自民比例候補だった北村経夫氏(現参院議員)を教団側が支援することを確認したという。
『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小社刊)の著書があるジャーナリスト・鈴木エイト氏が語る。
「これまでも教団側の内部資料から、“安倍首相の要請を受けて北村候補を支援することが教団内で通達された”というところまでは掴めていました。実は、安倍首相はもともと教団とは一定の距離を置く発言をしていたのですが、この時の選挙支援がきっかけで関係が深まっていったとみられてきました。
今回の朝日のスクープで注目すべきは、掲載された集合写真に当時、総裁特別補佐だった萩生田光一氏(前政調会長)と安倍氏の実弟である岸信夫氏(元防衛相)が写っていたこと。私は2013年の時点で、『党内の有力議員を通じて教団が安倍政権に接近した』との情報を得ていましたが、その有力議員が誰なのかわかっていなかった。安倍氏と岸氏の祖父である岸信介・元首相はもともと統一教会との関係が深かっただけに、この写真により、萩生田氏が教団と安倍・岸家をとりもつ、つなぎ役だった可能性が浮かび上がってきました」
面談に同席した経緯は何だったのか。また、両者をつないだのは萩生田氏なのか、事務所を通じて本人に問うと書面にて、次のように回答があった。
「ご指摘の会合の記録がなく、内容や出席者も記憶しておりませんが、当時は様々な団体との総裁面会に陪席する機会は多くあったのでそのうちの一つだと思います。(教団と安倍・岸家をつないだことは)事実ではありません」
岸田文雄首相は今回の報道を受け、安倍氏と教団の関係の再調査を行なう考えはないとの認識を示したが、鈴木氏は「萩生田氏、岸氏への調査こそ重要になる」と指摘した。
「安倍首相と教団の仲が深まっていった経緯を知っている可能性がある。安倍首相が亡くなってしまった今、2人が面談の経緯も含め説明責任を果たすべきだと思います」
※週刊ポスト2024年10月4日号

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