JR東日本が2017年まで車輪・車軸の取り付け作業で圧力値の改ざんをしていた問題で、国土交通省は24日午前、不正のあったJR東の東京総合車両センター(品川区)に立ち入り、鉄道事業法に基づく特別保安監査を始めた。鉄道各社の車輪・車軸を巡る不正で同監査を行うのはJR貨物、東京メトロ、京王電鉄に続き今月4グループ目。
JR東では少なくとも08年以降、在来線の車輪・車軸4888本について、取り付け作業時の圧力値が規定の範囲を逸脱し、このうち1187本で数値を意図的に書き換えて記録していたことが、17年に社内で判明した。JR東は当時、国交省に報告せず公表もしなかったが、JR貨物の不正を機に国交省から緊急点検の指示を受け、今月になって報告した。
国交省は適正に記録すべき作業記録の改ざんを「鉄道輸送の安全確保の仕組みを根底から覆す行為」として重視し、監査で判明した事実関係や背景によって行政処分・指導を検討する。