自民党総裁選と同時進行となった立憲民主党代表選が23日に投開票され、決選投票の結果、野田佳彦元首相(67)が新代表に就任した。野田氏は直ちに人事工作に着手し、翌24日に小川淳也幹事長(53=衆院議員=)を軸とした新執行部人事を決め、同日午後の同党両院議員総会での承認を受けて、野田新体制をスタートさせた。
これを受け野田新代表は、直ちに野党各党へのあいさつ回りをこなした後、新執行部人事について、記者団に「刷新感のある中堅を中心に選んだ」などと笑顔で胸を張って語った。ただ、党内からは「代表選での論功行賞だらけ」(若手)との不満、批判が噴出するなど、野田氏が叫ぶ挙党態勢への「ノーサイド」とは程遠い実態を露呈。他野党からも「政権交代どころか、党内混乱が大きな“落とし穴”になりかねない」(国民民主幹部)との声が相次いでいる。
立憲民主党は23日午後、東京都内のホテルで開いた臨時党大会で、野田氏を新代表に選出した。野田氏はこの代表選での1回目投票でトップとなったが過半数には達せず、決選投票で枝野幸男元代表(60)を破った。野田氏の代表任期は2027年9月までとなり、「政権交代による首相再登板」が“大目標”となる。
ただ、目前に迫る次期衆院選での野党選挙共闘が不発に終わって自公政権継続ともなれば、野党第1党党首としての責任を厳しく問われることは確実。このため、野田氏にとって「来夏の参院選までの約10カ月間が党首としての正念場」(政治ジャーナリスト)となることは間違いなさそうだ。
代表選、決選投票で野田氏が枝野氏を圧倒
今回の代表選は野田、枝野両氏に加え、泉健太代表(50)、吉田晴美衆院議員(52)の4氏が出馬。1回選の国会議員、国政選挙の公認候補予定者、地方議員、一般党員・協力党員による投票結果は、野田氏267ポイント、枝野氏206ポイント、泉氏143ポイント、吉田氏122ポイントとなり、事前の予想通り誰も過半数には届かなかったため、野田、枝野両氏による決選投票にもつれ込んだ。決選投票は国会議員、公認候補予定者、都道府県連代表者による投票で争われ、野田氏が232ポイントを獲得して、180ポイントだった枝野氏を圧倒した。
新代表となった野田氏は、直ちに人事工作に着手し、23日中に新執行部の骨格を固め、翌24日午後、国会内で開催した同党両院議員総会で提示、承認された。新執行部は実質的な党運営を担う「党3役」として、小川幹事長の他、政調会長に重徳和彦衆院議員(53)、国会対策委員長に笠浩史衆院議員(59)が就任。さらに、代表代行に長妻昭衆院議員(64)、辻元清美参院議員(64)、大串博志・元首相補佐官(59)の3氏を充てた。大串氏は選挙対策委員長も兼任する。