29日午後8時45分ごろ、沖縄県読谷村の渡慶次公民館近くの路上で「車の暴走でけが人が複数人いる」と119番通報があった。嘉手納署やニライ消防本部によると、10代2人と50代2人の男女計4人が救急搬送された。搬送時、意識はあり、命に別条はないという。車は事故後、現場から逃走した。運転者は男とみられ、同署は道路交通法違反(救護義務違反)や自動車運転処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで、行方を追っている。
同署や地域住民らによると、現場の公民館では地域の祭りが開かれており、エイサーの演舞を見ていた見物客らがはねられた。
はねられたのは、いずれも同村に住む15歳の中学3年の女子生徒2人と52歳の女性、58歳の男性の計4人。52歳の女性は骨盤や太ももの骨を折るなどの重傷。他の3人は足首の捻挫や打撲などのけがをした。
暴走した車は4人をはねる前後にも付近に止めてあった車5台に衝突。事件からおよそ3時間後、現場近くの公共施設で、運転席のドアの窓ガラスが割れ、サイドミラーなどが破損した状態で見つかった。同署によると、事故前、男は車にひかれた4人とは別の人と何らかのトラブルがあり、言い合いになっていた。
祭りに参加していた40代女性によると、白い乗用車が出店のテントをなぎ倒し、一度後進した後に急発進して次々と人をはねた。車の下敷きになった人もいたという。女性は「祭りは終盤だったが、人が大勢いた。『キャー』『ワー』という悲鳴が上がり、現場は騒然としていて怖かった」と話した。