兵庫県の斎藤元彦前知事の疑惑が文書で告発された問題で、県が昨年11月のプロ野球阪神・オリックスの優勝パレードの開催にあたり、信用金庫への補助金を増額し、パレードの寄付金に還流させた疑いがあるとして、県内のオンブズ3団体は9日、背任の罪で兵庫県警捜査2課に斎藤氏と片山安孝元副知事に対する告発状を提出した。
告発状によると、片山氏は補正予算の編成過程で金融機関への補助金を増額し、同時期に対象金融機関に働きかけ、パレードへの寄付を要求。斎藤氏と片山氏は寄付金をノルマ通り集めた実績で評価を高めたい目的で県に損害を与えたなどとしている。
オンブズ団体が同日午前、神戸市内で会見を開き、「市民オンブズ尼崎」(兵庫県尼崎市)世話人で尼崎市議の田中淳司氏は、告発状を提出した経緯について、疑惑を裏付けるさまざまな資料が出てきて提出に至ったと説明し、県警に対し「精査いただいた上で厳正な捜査を求めた」と話した。