海上自衛隊職員が閲覧できるサイトで自分の逮捕状などが掲載され続けたのはプライバシー侵害に当たるとし、海自に所属する40歳代の男性2尉と元3曹の20歳代男性が国に計220万円の賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。提訴は4日付。
訴状などによると、2人は2022年2月、横須賀市の自衛隊横須賀病院で勤務中にパワハラがあったとして、海上幕僚監部などに告発文書を提出。ところが、22年9月に海自の捜査機関に当たる警務隊に虚偽告訴容疑で逮捕され、横浜地検横須賀支部が同11月にいずれも嫌疑不十分で不起訴とした。海自のサイト上では、遅くとも23年10月3日頃まで逮捕状などが閲覧できる状態になっていたという。
2人は8日、横浜市内で記者会見を開き、「新たな被害者が生まれないように対策してほしい」と訴えた。海幕広報室は「訴状が届いておらず、詳細は回答できない」としている。
2人は23年2月、不当逮捕で精神的苦痛を受けたとして、国に慰謝料を求める訴訟も起こしている。