衆院選での逆風、裏金議員の復党問題、選挙後の政権運営。党ナンバー2にして、選挙の責任者である森山幹事長(79)は、自民党の現状をどう考えているのか。10月21日、1998年の初当選時から取材を続ける政治ジャーナリストの後藤謙次氏のインタビューに応じた。
「党利党略で解散を決めたわけではない」
――就任前から石破茂首相は解散を示唆し、戦後最短の就任8日で解散に踏み切りました。連日、厳しい情勢が伝えられますが、早期解散が裏目に出たのではないですか。
「この先、補正予算の審議、来年度の予算編成と続き、さらに来年には参院選が控えています。参院の任期の兼ね合いで国会の会期延長ができない。だから、党利党略で解散を決めたわけではなく、このスケジュールしかなかったわけです」
――不記載に対する処分として非公認となった候補が苦戦している。
「私も2005年の郵政民営化問題で、非公認として選挙に臨んだ経験があります。だからその苦労は身をもって分かる。それに同じ仲間としてやってきたわけですから、本当に何とかできないかという気持ちもありました。ですが、ここでけじめをしっかりつけておかないと、党に対する信頼を取り戻せない。そこを優先した結果です」
――自公過半数割れとなった場合、すぐに控える首班指名選挙のための人数をそろえなければなりません。そこで鍵となるのが、非公認候補が当選した際の追加公認ですが、その点、どう判断されますか。
「彼らについて、今回国民の皆さんに審判をお願いしているわけですから、そこでお認めをいただければ、本人たちから自民党に戻りたい、追加公認をお願いしたいと申し出があった際には、総裁がご判断されることだと思います」
離党した世耕氏の“鞍替え”出馬については…
――離党した世耕弘成氏は参院から鞍替えして出馬し、選挙後の復党への意欲も見せています。このケースはどうお考えですか。
「彼の復党はありません。離党したとはいえ、党の公認候補に対抗して立候補したわけですから。和歌山2区で我々は公認候補(二階伸康氏)を擁立しており、そこで戦われる意味はいちばん理解されているはずです。彼とは参議院では同期生でもありますし、ある意味、非常に残念な思いでいます」
◇◇◇
10月23日(水)12時配信の「 週刊文春 電子版 」では森山幹事長のインタビュー完全版を公開。記事内で森山氏は、世耕氏以外の「裏金議員」の復党について、国民民主党や維新の会との連立および立憲民主党など野党との大連立の可能性、石破首相や小泉進次郎選対委員長との関係性などについて明かしている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年10月31日号)