小2殺害関与示唆の男、女児殺傷繰り返した過去 思考に「歪み」…過去にも未解決事件自供

兵庫県加古川市とたつの市で平成18、19年に小学生の女児2人が殺傷された事件で、服役中の男(45)が兵庫県警の聴取に関与をほのめかす供述をしていたことが判明した。過去にも小中学生の女子を狙った事件を繰り返し、検察側から思考の「ゆがみ」を指摘されていた。また、未解決だった事件への関与を服役中に認めながら、法廷では「作り話」と供述を一転させたこともあった。
「女児に対する同種の犯行を繰り返し、事実と向き合って反省する様子が見られない。更生する可能性は乏しい」
令和4年1月、岡山県津山市で平成16年に小学3年の女児=当時(9)=が殺害された事件の判決公判。上下のジャージーにサンダル姿で岡山地裁に出廷した短髪の男は無期懲役を言い渡され、背中を丸めて判決理由を聞いた。
この事件で逮捕されたのは、発生から約14年を経た平成30年5月。兵庫県姫路市で27年に起きた女子中学生への殺人未遂事件で服役中に「小学女児の首を絞めたことがある」と、岡山県の事件への関与を認めたことがきっかけだった。
一方、男は岡山県の事件の公判で、この自白は報道などを基にした作り話で「絶対にやっていない」と無罪を主張。最終意見陳述では自らを「サスペンスオタク」とした上で、「をでっちあげて話を大きくしてしまい大変後悔しています。やっていないのだから反省しようがありません。私は絶対の絶対に殺害していません」と早口でまくしたてた。地裁は男の主張を退け、自白の信用性を認定。その後、無期懲役が確定した。
検察側は論告で、男には小児性愛や相手の苦痛に興奮を感じる傾向があり、「性癖のゆがみは深刻」と指摘。年少の女性をドライバーで突いたり、刃物で切り付けたりする前科も複数あるとした。岡山で事件を起こしたのは、別の女児に対する強制わいせつ事件で執行猶予付き有罪判決を受け、執行猶予期間が終わった直後だった。
姫路市の殺人未遂事件の公判で、男は「中学の時にいじめを受け、自分の腹を刺すようになった。血を見ると落ち着いた気分になった」と説明。「自傷行為を繰り返して入院し、もう自分の腹を刺せないと思ったので、女の子の腹を刺そうと思った」と犯行動機を述べていた。

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