すすきのガールズバー爆発「楽しいことするよ」元交際女性の勤務先にガソリンのような液体で…重体の41歳男性「会いたい会いたい」と何度も送信、入院中の女性は「許せない」怒り

26日午後、札幌市の歓楽街すすきのでガールズバーが爆発し、20代から50代の男女4人が全身にやけどを負うなどした火災。
4人のうち重体となっている41歳の男性が、火災の直前に自身のものとみられるSNSに「楽しいことするよ」と投稿したあと、ガソリンのような液体をまいて火をつけた疑いがあることがわかっています。
現場は、男性の元交際相手の20代女性が勤める店で、男性はこの女性に対し「会いたい会いたい会いたい…」「死にたくない」といったメッセージを何度も送っていました。これまでの取材で見えてきた火災の背景です。
■「両手にタトウ、溶けるくらいドロドロ」 26日午後3時すぎ、すすきのの周辺にはサイレンの音が響き渡りました。
火災は、札幌市中央区南5条西3丁目の6階建てビルの2階にあるガールズバー『ミリオン』で発生。ビルからは、激しく炎が上がり、辺りに煙が立ち込めます。
・目撃していた人 「買い物をしてして、店から出てきたら、物が落ちる音がして、工事かなと思ったらガラスが散乱していた」 「中から衣装を着た女の子たちが、火がついた状態で2人くらい出て来ました。従業員が必死で火を消していた」
ストレッチャーに乗せられて救助される男性の服は、焼け焦げていました。
・消火を手伝った女性 「両手とか、髪の毛とかが燃えているようなパニックになった男性が(ビルから)出てきて、両手にタトゥーが入っていて、溶けるぐらいドロドロになっていた」
「(腕の)皮がめくれて、ペットボトルの水を(別の)男性がかけていたので一緒にかけた。近くのコンビニに行って“お水くれませんか”と言って水をバケツでもらった」
この火災で、30代から50代の男性3人と、20代の女性従業員が、全身にやけどを負い、病院に運ばれました。
■無言で“ガソリンのような液体”を店内にまき…
関係者によりますと、出火した時、店は営業中で、店内ではバニーガール姿の女性が1人、女性従業員が2人、そして客の男性が2人いました。
そこに重体となっている41歳の男性があらわれます。
男性は、帽子を深くかぶり“作業員”のような姿で無言のまま店に入ってくると、バケツに入れて持ち込んだ“ガソリンのような液体”を店の中にまき、ライターのようなもので着火したということです。
■20代女性従業員「別れ話で暴れた」と警察相談 男性は、当時、店で働いていた20代女性従業員の元交際相手でした。
警察によりますと、女性従業員は以前、41歳の男性と交際し同居していましたが、11月7日に「別れ話で彼氏が暴れた」と警察に相談。翌日、警察が立ち会いながら、女性は引っ越ししました。その際、警察から注意を受けた男性は「反省しています」と話したということです。
しかし、関係者によりますと、その後も男性は、女性の引っ越し先に姿をみせるなどつきまとい行為があったといいます。
その一方で男性は、SNS上で他人の「死にたい」という投稿に対し「わかるわ…」「わかる」「同じ気持ちですわ」などと、コメントしていました。
■「会いたい会いたい会いたい…」「死にたくない」
男性は、元交際相手の女性従業員に対し、別れた後「会いたい会いたい会いたい…」「死にたくない」といったメッセージを繰り返し送信していました。
メッセージには「(●女性の名前)の為に生きたい」「(●女性の名前)の為だけに生きたい」「(●女性の名前)の為に生きれるならなんでもする お願い。」とも記されていました。
■ガールズバー代表「人情の厚い女の子」 火災を受けて、ガールズバーの代表は、悲痛な思いをHBCの取材に語りました。
・ガールズバー代表 「けがをした女性従業員は人当たりもいいし、お客さんからの評判もいいし、女の子からも、すごく人気ありますね、優しくて。人情の厚い女の子で、みんなすごく心配していて…」
また代表は、火災の前、女性従業員から41歳の男性との交際について相談を受けていたことも明らかにしました。
・ガールズバー代表 「暴れている。発狂してくる。怖くて一緒に居られない。DVもあったと思うんですよ。もう家に帰るのも嫌だし、別れたい…と」
そのため爆発があった瞬間、代表は、この男性の存在が頭に浮かんだといいます。
・ガールズバー代表 「(女性従業員と)1週間くらい前に“男性が来ていた”という話をしたばかりだったので。もしかしたら…って思ってたんですよ。その瞬間に」
■“犯行予告”「楽しいことするよ」投稿か 41歳の男性は、事件発生の10分ほど前の26日午後3時9分に「楽しいことするよ」と犯行予告ともとれるコメントを、自身のものとみられるSNS上に投稿していました。
現場付近からは男性のものとみられる車が見つかり、警察は、男性がビル周辺まで人目につきにくい手段で液体を運んだ可能性があるとみて確認を進めています。
■重傷の女性従業員「許せない」病室で怒り 男性と以前交際し、火災で全身にやけどを負った女性従業員は、バーの代表が病院で見舞った際、客として居合わせ重傷を負った男性たちを心配しつつ、41歳の男性について「許せない」と語ったということです。
女性との別れから、思い立った行為なのか。
逃げ道を閉ざすかのように、店の入口と奥に液体をまいた行動から、周到な計画性も浮かび上がってくる今回の火災。
警察は、意識不明となっている41歳の男性が火を放ったとみて、現住建造物等放火の疑いで捜査しています。

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