「関係改善の機運がしぼみかねない重大局面」…韓国の戒厳令で日本政府が危機感

日本政府は、戒厳令に伴う韓国政界の混乱を受け、尹錫悦政権で改善してきた日韓関係が後戻りしかねないと危機感を強めている。今後の情勢次第では来年1月の石破首相の訪韓は延期する見通しだ。
首相は4日の参院代表質問で、「他国の内政へのコメントは差し控える」としつつ、「重大な関心を持って事態を注視している」と述べた。
10月に尹大統領と初会談した首相は、来年の国交正常化60周年に向けた関係強化の一環として年明けの訪韓を調整していた。首脳の相互往来「シャトル外交」を活性化する狙いがあったが、外務省幹部は4日、「しばらく(韓国との)外交は難しいだろう」と述べ、見直しの可能性を示唆した。
一方、日韓議員連盟の会長を務める自民党の菅義偉・元首相は4日、今月中旬の訪韓を中止する方針を固めた。訪問時に尹氏と会談する予定だった。
尹氏は2022年5月の就任後、元徴用工(旧朝鮮半島出身労働者)訴訟問題の解決策をまとめた。安全保障面や経済面などでも両国の協力関係の強化に努めてきただけに、日本政府は「関係改善の機運がしぼみかねない重大局面」(政府関係者)とみて今後の動向を注視している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする