大阪地検元トップ“性的暴行” 被害訴える女性検事の支援者らがオンライン署名提出 副検事による“セカンドレイプ”疑惑の厳正な捜査・処罰求め

元・大阪地検検事正が女性検事に性的暴行を加えた罪に問われている事件をめぐり、女性検事の支援者らが、オンラインで集まった署名を大阪高検に提出します。元検事正だけではなく、“女性検事の被害申告はお金目当ての虚偽告訴”などと中傷した疑いがある、女性副検事への厳正な捜査・処罰も求めています。
▼初公判での謝罪から一転…「無罪主張」に転じた元検事正
元・大阪地方検察庁検事正の北川健太郎被告(65)は、検事正在任中の2018年9月、大阪市北区の官舎で、酒に酔って抵抗できない状態だった当時の部下の女性検事に対し、性的暴行を加えたとして、準強制性交等の罪に問われています。
北川被告は他の検察職員らも参加した懇親会の後に、すでに酩酊状態だった女性検事を官舎に連れ込み、性的暴行を加えたとみられています。
去年10月の初公判で北川被告は起訴内容を認め、「被害者に重大で深刻な被害を与えたことを心から謝罪したい」などと述べました。
しかし去年12月、新たな弁護人が会見を開き、「女性検事が抵抗できない状態だったかに合理的な疑いがあり、北川被告は同意があると思っていたため、犯罪の故意がない」として、一転して無罪を主張することを明らかにしました。
今後は「期日間整理手続き」で、検察側・被告側双方の主張が整理されていく見込みで、第2回公判の期日は未定となっています。
▼性被害訴える女性検事 “女性副検事によるセカンドレイプ”も訴えて告訴・告発
北川被告からの性被害を訴えている女性検事は、別の女性副検事(事件直前の懇親会にも参加)が、▽北川被告側に内偵捜査の情報を漏洩したり、▽被告の当初の弁解に沿うような虚偽の供述をしたり、▽検察庁内で被害申告者が当該女性検事だと吹聴したうえで、“女性検事は性交に同意していたと思う” “PTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状も詐病で、お金目当ての虚偽告訴ではないか” という旨の誹謗中傷をしたりしたと主張。その女性副検事を国家公務員法違反や犯人隠避、名誉毀損の疑いで、大阪高等検察庁に告訴・告発しました。
大阪高検はこの告訴・告発を受理し、捜査を行っています。
性被害を訴える女性検事は、事件後も仕事を続けていましたが、その後休職。一度は復職したものの、配置された部署は女性副検事と同じ部署でした。そのことによる精神的苦痛などで、現在再び休職しています。
▼元検事正と女性副検事への厳正な捜査・処罰求め…支援者らがオンライン署名を提出
女性検事の支援者らは1月27日午前、北川被告と女性副検事への厳正な捜査や処罰を求め、大阪高検に、オンラインで集まった署名58967筆を提出します。
27日午後には、東京都内で支援者らや女性検事本人が記者会見を行う予定です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする