神奈川県箱根町は、自然災害の発生などを外国人観光客に迅速に伝えるため、58か国語に対応できる防災行政無線を導入した。
町観光協会によると、昨年1~11月の町内の外国人宿泊客数は73万人を超え、過去6年で最多。米国、中国、オーストラリアなどが多いが、東欧のスロバキアやバルト三国の一つラトビア、中東のカタールなどから訪れる人もいる。
町総務防災課では、台風や地震、火山噴火などがあった際、外国人にも路線バスや鉄道などの運休や道路の通行止め情報などを素早く伝える必要があると考え、導入を決めた。
新たな防災行政無線は、日本語と英語での放送を基本にし、必要に応じて58か国語に対応できるシステムにした。この中には、インド西部グジャラート州の公用語「グジャラート語」や南アフリカオランダ系住民の言語「アフリカーンス語」なども含まれるという。
同課は「防災行政無線でこれほど多くの言語放送は、全国でも前例のない試みではないか」と話している。