長野市のＪＲ長野駅前で男女３人が刃物で刺されて死傷した事件で、県警が殺人未遂容疑で逮捕した同市西尾張部、無職矢口雄資容疑者（４６）の自宅から、現場から逃走した男が着ていたのと特徴が似た衣服などを押収したことが２７日、捜査関係者への取材で分かった。県警は事件との関連を調べる。
事件は２２日午後８時頃に発生。駅周辺の防犯カメラなどには、３人を襲った後、徒歩で逃げる男の姿が映っていた。男は頭に白い布のようなものを巻き、長いひげをはやして眼鏡をかけていた。
県警は２６～２７日に矢口容疑者宅を捜索。男が着ていたのと色などの特徴が似たジャンパーや手袋、眼鏡、タオルなどを押収した。逮捕時の矢口容疑者は映像の男より髪が短く、ひげもなかった。身元を特定されないように髪を切るなど風貌を変えたとみている。
また、映像をつないだ県警のリレー捜査の結果、矢口容疑者が自宅周辺から現場まで徒歩で移動したことが判明。さらに矢口容疑者に似た男が事件後、自宅とは反対の駅西方向に向かった後、陸橋を渡って駅の南側に逃げていたこともわかった。
事件では同市丹波島、会社員丸山浩由さん（４９）が胸などを刺されて死亡し、男女２人が重軽傷を負った。県警は２７日、女性会社員（４６）に対する殺人未遂容疑で矢口容疑者を長野地検に送検した。捜査関係者によると、事件について「分からない」と話し、黙秘を続けているという。