北海道旭川市の神居古潭で、女子高校生を殺害した罪などに問われている当時19歳の女の裁判員裁判で、遺族側は「家族はすべてを失った。極刑を望む」と訴え、検察は女に懲役25年を求刑しました。
(被害者の父親)「家族は希望、夢、気力、全て失われました。どんな刑でも釣り合いません。極刑を望みます」
法廷で明かされたのは、凄惨な事件で17歳の娘の命を奪われた父親の心境です。
殺人などの罪に問われているのは、当時19歳だった小西優花被告。
起訴状などによりますと、小西被告は2024年4月、内田梨瑚被告とともに旭川市の神居古潭で、留萌市に住む17歳の女子高校生を橋の欄干に座らせたあと川に転落させ、殺害した罪などに問われています。
5回目を迎えた裁判員裁判。
冒頭に遺族の心情が読み上げられました。
(被害者の母親)「全裸で土下座、コンビニで助けを求める動画などを見て言葉を失いました。こんな卑劣なことができるのか。被告人は裁判中泣いていましたが、その涙はどんな涙ですか?娘を助けられなかった。後悔の念でいっぱいです」
小西被告は初公判で起訴内容を認めていて、裁判は「量刑」が争点です。
5日の論告で検察は…
(検察)「犯行態様は極めて残虐で悪質。犯行の経緯と動機も身勝手極まりない」
こう指摘した上で、「犯行の役割を主体的に果たした」として小西被告に懲役25年を求刑。
一方、弁護側は小西被告の行為について「内田被告からの指示で従属的」と強調。
「成人年齢ではあるものの若年で更生する可能性がある」などとして、情状酌量を求め、「懲役15年が妥当」と主張しました。
最後に裁判長から「言いたいことはありますか」と問われた小西被告は…
(小西被告)「どんな結果、どんな判決であろうと覚悟はできています。本当にすみませんでした」
涙ながらにこう述べて一礼し、裁判は結審しました。
(阿部記者)「厳罰か更生か。難しい特定少年の判決に裁判員はどのような判断を下すのか。判決は7日に言い渡されます」
【遺族の心情】
5日の裁判では、代理人弁護士が遺族の意見陳述を読み上げました。
被害者の父親は「家族は希望、夢、気力、全て失われました。極刑を望みます」
被害者の母親は「深い心の傷を負わせた。身が引き裂かれる思い。重い罪を望みます」
と小西被告に対する心境が明かされました。
【争点】
改めて裁判の主張をまとめました。
小西被告は起訴内容について認めていて、「量刑」が争点です。
検察は5日の論告で、「極めて残虐で悪質。犯行の役割を主体的に果たした」として、懲役25年を求刑しました。
一方で、弁護側は「若年で更生の可能性があり、犯行は内田被告の指示で従属的だった」と情状酌量を求め、懲役15年が妥当と主張しました。
遺族が厳罰を訴えるなか、裁判員は当時19歳の小西被告に対してどのような判断を下すのか。
注目の判決は7日に言い渡されます。