大船渡の山林火災、発生から1週間で恵みの雨…避難者「家に帰れる望み出てきた」

岩手県大船渡市の山林火災は発生から1週間となった5日、焼失面積は前日から300ヘクタール増え、市の面積の9%に相当する約2900ヘクタールに広がった。一方で、現地では発生後、初めて本格的に雨が降り、市は延焼の拡大を防ぐ効果があったとの見方を示した。
大船渡市では5日午前4時頃から雨や雪が降り始め、盛岡地方気象台によると、午後7時までに20・5ミリの降水を観測。0・5ミリ以上を記録するのは16日ぶりで、6日も雨や雪になる見通しという。同市を含む県沿岸南部では15日連続で乾燥注意報が出ていたが、4日午後10時過ぎに解除された。
渕上清市長は5日の記者会見で「雨によって幾ばくかの火の勢いを抑えられたと考えられる」と述べた。市立第一中学校に避難する男性(76)は「待ちに待った雨のおかげで、家に帰れるのではないかと望みが出てきた」と話した。
市は1896世帯4596人に避難指示を出しており、5日午後6時現在の避難者は人口の13%にあたる計4294人。避難所12か所に1239人が身を寄せ、親戚宅やホテルなどにも3055人が避難している。
住宅などの建物被害に関し、市はこれまで80棟超としていたが、上空からの調査や一部地域では地上からの現地調査の結果、少なくとも7地区で計78棟の被害が確認されたと発表した。
県によると、5日はヘリコプター19機で散水などの活動を予定していたが、悪天候で中止となった。地上では消防隊員らが放水した。

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