存廃が検討されている奈良県山添村の村立奈良県立山辺高校山添分校について、野村栄作村長は4日、同校を2028年度に閉校し、村立の本校にしない方針を示した。この日の村議会で明らかにした。
野村村長は「存続は村の財政を圧迫し、本校化は難しい」と述べた。26年度以降の募集は行わず、「今後は民間による学校法人化を模索し、分校に関する条例の改正を審議することになる」と答弁した。
同分校の前身は1949年に開校した。農業科と家政科がある昼間定時制(4年制)で、本州唯一の村立高校。約30人の生徒のうち、村内に住むのは1人だけで、大半は伊賀、名張両市から通う。
設置者は村、管理者は奈良県と分かれており、同県教育委員会と文部科学省が2016年に是正を指導。村は廃校するか、管理者となって本校化するのか検討していた。2月28日には、住民らが学校の存続を求めた約3200人の署名を野村村長に提出していた。
村民で同校卒業生の男性は「分校はかけがえのない村の誇りなのでショックだ。村が小さくなっていく気がしてならない」と話していた。