「東京アプリ」でポイント付与 “ウオーキングイベント参加で500円分”など 巨額予算に賛否も

桜を見ながら歩くだけで、500円分のポイントがもらえる。そんなアプリを東京都が始めました。東京都民以外も利用できるということです。さらに、東京都民についてはこの秋、7000円相当のポイントがもらえる可能性があるということですが、その狙いはどこにあるのでしょうか。

小池都知事
「都庁丸ごとポケットに入るというような目標に向かって、着実に進めていきたい」
6日、小池都知事が意気込んでいたのは、2月にリリースされた都の公式アプリ、「東京アプリ」です。
都が対象としたイベントやボランティア活動などに参加することで、ポイントがたまる仕組みになっていて、都民でなくても利用することができます。auPAYやd払いのポイントに交換できるほか、水上バスの乗船券などと交換することも可能。
どのようにポイントをためるのか?
東京・千代田区にある、子どもが無料でデジタル体験ができる施設「くりらぼベース」では…。
並木雲楓フィールドキャスター
「東京アプリの案内がありました。『アンケートにお答えいただくと100東京ポイント(100円相当)をプレゼント』と書かれています」
取材中にもポイント獲得者が…。
並木雲楓フィールドキャスター
「今日ここに来た理由は?」
ポイントを獲得した施設利用者
「遊びに来たのと、ポイントをもらえるので」
アプリを見せてもらうと、100円相当のポイントがたまっていました。別の利用者は、すでに200ポイント獲得。この施設を2度訪れ、アンケートに答えたといいます。
──(このアプリ)どう思う?
ポイントを獲得した施設利用者
「子どもが楽しんで、大人はポイントもらえるのはいいなと」
ポイントが獲得できる対象は、ほかにも…。
たとえば、今月23日に東京・北区で行われる、桜を見ながらウオーキングするイベント「桜ウォーク2025」に参加すると、500ポイント。
多摩地域で行われている森林整備作業「とうきょう林業サポート隊」に参加すると、1000ポイント獲得できます。
今年の秋には、マイナンバーカードによる本人認証を行った都民(15歳以上)に7000円相当のポイントを付与する予定だといいます。
その理由は、利用者を増やすため。将来的に、さまざまな行政手続きも行えるようにして、都民の利便性を高めるとしています。

都内を行き交う人々からは…。
都民(30代)
「(アプリを)初めて聞きました。いろんなところでポイントたまるのは面白いと思った」
都民(20代)
「興味はあります」
こう話す男性は、500ポイントもらえるウオーキングイベントに参加してみたいといいます。
都民(20代)
「これから桜咲くシーズンになる。参加できたら面白いかな」
取材をきっかけに、アプリをダウンロードしていました。
気になるという声は、埼玉県民からも。
並木雲楓フィールドキャスター
「(アプリ)使ってみたい?」
埼玉県民
「ポイントもらえるなら、参加してみようかな」

多くの人から、興味があるとの声が聞かれた「東京アプリ」ですが、6日の都議会で成立した「東京アプリ」に関する予算は、799億円。
莫大な予算をかけたアプリに、議会では批判の声も…。
共産党 原田あきら議員
「800億円も投じることは見過ごせません。巨額予算を物価高騰に苦しむ都民や事業者への直接支援にまわすべきです」
ほかにも、高齢者など、スマホを持っていない人が恩恵を受けることができないなど、問題点が指摘されました。
都は、デジタルに不慣れな人を対象としたスマホ相談会の拡充や、スマホを持っていない高齢者を対象に、購入費を助成する支援を検討していくとしています。
専門家は、予算に見合った効果が期待できると話します。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱利廣氏
「最も期待されるのは(ポイントによる)経済効果。都民の消費活動を促進する。地域イベントの参加や地域産品の購入など、地域の経済に貢献する行動促進効果が期待」
一方で、課題も指摘。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱利廣氏
「個人情報が流出することで悪用されたり、詐欺被害のリスクがあるのでセキュリティー体制を構築するのが課題」
(3月6日放送『news zero』より)

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