自民党大会が9日に開かれ、夏の参院選比例代表の公認候補として杉田水脈前衆院議員(57)が出席した。杉田氏の公認をめぐってはSNSなどでも議論を呼んでおり、閉会後には杉田氏のもとに報道陣が殺到。日刊ゲンダイを含む十数人の記者に囲まれる中、勝手な持論をブチまけた。
裏金事件を受け、自民党は昨年の衆院選で12人を非公認にした。杉田氏も1564万円もの裏金が発覚し、党役職停止6カ月の処分を受けている。参院の裏金議員が政倫審で弁明をしている一方で、杉田氏は弁明しないまま公認で出馬する。その整合性について問われると、こう答えた。
「政倫審に出席せずに、昨年の衆院選で公認を得た人はたくさんいます。今は議員じゃないので政倫審に出るのはかなわないが、議員になればきちんと話はする」
いやいや、政倫審の場じゃなくてもいいから、選挙の前に話してくれなきゃ、有権者は判断できないだろう。
杉田氏はさらにこう続けた。
「地元(山口県)でも記者会見をしており、囲み取材でも質問がなくなるまで答えている。昨年の衆院選では(党の回数制限を超過する)3回目でも、山口県連が比例で公認申請してくださった。地元では納得してもらっていると思っています」
では、全国の有権者に向けての説明はあるのか。
「そのようなことを求められてないので。これまでユーチューブなどで説明を繰り返しているので、皆さんも納得いただいている。講演などで全国をまわっても、政治資金に関する質問を受けたことは一度もありません」
過去に自身のブログで、国連の委員会に民族衣装を着て出席したアイヌ民族や在日コリアンを侮辱したことについても、こう主張した。
「アイヌ民族の方を侮辱する内容ではない。全文を読んでいただければわかると思う。それを読んで傷つく方がいれば謝罪するという対応で、ブログの削除と謝罪を行った。すでに終わった問題だと考えています」
記者から「ブログの中身自体に問題はないという認識か」と問われても、「はい」と言い切るのだった。
とうとうと語る口ぶりから察するに、これが杉田氏の本音なのだろう。物議を醸した行動への反省は見られなかった。あとは、有権者がどう判断するかである。
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