奈良県橿原市で交際相手の4歳の娘に暴行を加え、死亡させた罪などに問われている男の裁判で、検察側が8年を求刑しました。
起訴状によりますと、大阪府門真市の建設作業員・山下翔也被告(28)は2023年6月、橿原市内のマンションなどで、交際相手の長女だった星華ちゃん(当時4)の腹部を何らかの方法で圧迫し、死亡させたなどとして、傷害致死などの罪に問われています。
◆男は無罪主張 体罰加えたのは『交際女性』と主張◆
これまでの裁判で山下被告は「暴行はしていません」と起訴内容を否認し、体罰を加えていたのは交際女性で、「星華ちゃんが亡くなった原因が人(の暴力)だとは思っていない」と主張。
弁護側も「母親が娘に感情的に手を上げることがあり、母親の暴行により死亡した可能性を排除できない」などと無罪を主張していました。
◆検察「ネットで『4歳児 内臓破裂』などと検索していた」◆
一方、検察側は「母親と交際を始めてから山下被告のしつけが厳しくなり、事件前にはインターネットで”4歳児 内臓破裂 どれくらいの衝撃”などと検索していた」などと指摘していました。
◆検察は懲役8年を求刑「傷害負ったとみられる時間に2人でいた」◆
3月10日の裁判で検察側は「母親と交際を始めて以降、被告は被害者を強く怒るようになり、被害者が怖がるようになっていた。被告は事件前にインターネットで””4歳児 内臓破裂””などと検索していて、被告人が暴行を加えた可能性が高い」などと指摘しました。
そのうえで、「被告は被害者が傷害を負ったとみられる時間に被害者と2人でいて、被告は被害者を繰り返し怒って怖がらせていた中で、強く腹部を圧迫することで死亡させた。犯行態様は悪質で、言うことを聞かないことに腹を立てた動機は自己中心的で短絡的であり、強い非難に値する」などとして、懲役8年を求刑しました。
◆弁護側「検索は被害者が嘔吐することがあり、思いついた言葉を検索していたに過ぎない」無罪を主張◆
一方で弁護側は「検察側は母親が寝ている間に被告が傷害を負わせたと主張するが、強い痛みを伴い被害者は声を上げるはずで、母親が声に気づかないとは考えられず、暴行がなかったことが裏付けられ、被告が母親の目に触れずに被害者に暴行する機会はなかった」と指摘しました。
そのうえで「被害者は被告を怖いとは言っていたが、強くは拒絶をしてない。母親は被告と交際する前から日常的に叩く、蹴るなどの暴行を加えていたと考えられる。””4歳児 内臓破裂””と検索していたのは、被害者が嘔吐することがあり、思いついた言葉を検索していたに過ぎない。被告の検索履歴から暴行を推認することはできない」などと改めて無罪を主張しました。
最終陳述で山下被告は「僕はこの事件で言われているような暴行はしておりません」などと述べました。
判決は3月19日に言い渡されます。