笹川平和財団と読売新聞社は11日、情報を操作して自国に有利な状況を作り出す「認知戦」に関する国際フォーラムを東京都内で開催した。米国の第1次トランプ政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたハーバート・マクマスター氏が基調講演を行い、ロシアや中国が仕掛ける認知戦について、「民主主義社会を二極化させ、コミュニティー同士を対立させようとしている」と述べ、民主主義陣営で連携していく必要性を強調した。
マクマスター氏は、中露のほか、イランや北朝鮮が「侵略者の枢軸」として一体化し、「日米がより危険な世界に直面している」との認識を示した。「敵対勢力は認知戦を使って我々を分断し、自信を喪失させようとしている」とも指摘し、国民にどのような危機に直面しているか「教育」していく重要性に言及した。
そのうえで、認知戦に対し、「戦争を防ぎ、将来の世代のためにより良い未来を築くという前向きな計画に協力し合うことで対抗できる」と呼びかけた。
石破首相もビデオメッセージを寄せ、中露を念頭に「一部の国は、他国の世論や意思決定に影響を及ぼすため、偽情報の拡散を含む影響工作を展開している」と述べ、日本が価値観を共有する国々と連携して取り組んでいることを説明した。