講談社元社員の妻殺害事件、懲役11年確定へ 最高裁が上告棄却

東京都文京区の自宅で2016年8月、妻(当時38歳)を絞殺したとして殺人罪に問われた講談社元社員、朴鐘顕(パクチョンヒョン)被告(49)の差し戻し上告審で、最高裁第2小法廷(草野耕一裁判長)は、被告側の上告を棄却する決定を出した。10日付。懲役11年の実刑とした1、2審判決が確定する。
朴被告は「妻は自殺した」として一貫して無罪を主張していたが、小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べた。裁判官4人全員一致の判断。
裁判員裁判で開かれた1審・東京地裁判決は19年3月、自宅寝室に残された妻の唾液混じりの血痕や失禁の痕に着目。いずれも首を絞められたことを示すとして、朴被告が寝室で首を絞め妻を殺害したと認め、懲役11年を言い渡した。
2審・東京高裁も21年1月、この結論を支持したが、最高裁が22年11月の判決で、妻が自殺したとする弁護側の主張に関する検討が不十分だとして、審理を高裁に差し戻した。
差し戻し後の東京高裁判決は24年7月、寝室の血痕や失禁の痕から殺人罪の成立を認めた1審判決に「不合理な点はない」と指摘。朴被告は「妻は階段の手すりに衣服をくくって首をつった」と訴えたが、階段付近に失禁の痕はなく、朴被告が説明する妻の行動は「唐突で奇異だ」と退けていた。【巽賢司】

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