若い女性が刺された東京・高田馬場の現場付近では11日午前、「助けて」という被害者の悲鳴が響き、騒然とした雰囲気に包まれた。
近くの建設会社の男性役員(53)によると、仕事中に外から「ぎゃー、助けて」という悲鳴や叫び声が聞こえた。窓から現場を見ると、容疑者とみられる男が女性の近くに立っていた。落ち着いた様子で、10分ほど現場で女性の足元を見ていたが、その後、警察官に連行された。
付近をタクシーで走行していた男性運転手(52)は「血まみれで倒れていた女性の頭辺りを、男が動画撮影しながら蹴り飛ばしていた。冷静な様子で無言で蹴っていて、尋常じゃないと思った」と声を震わせた。
近くで働く建設作業員の神崎修平さん(31)は、女性の首に掛かっていたスマートフォンを手にし、周囲を撮影する男の姿を目撃した。「警察が来ると自ら手を挙げて『私です』と名乗り出ていた。冷静すぎて犯人だと思わなかった」と驚いた様子で話した。
近隣に住む主婦(66)も現場に花を手向けると、「痛ましい事件。安らかに眠ってほしい」と悼んだ。
[時事通信社]