オウム真理教は地下鉄サリン事件など一連の凶悪事件を起こし、元教祖の麻原彰晃元死刑囚=本名・松本智津夫、執行時(63)=ら幹部の死刑が執行された後も、主に3つの後継団体が存在し一定の勢力を保っている。公安当局は、団体名を隠した勧誘も行っているとみて、警戒している。
公安調査庁などによると、後継団体は主流派の「アレフ」、「山田らの集団」と、「ひかりの輪」の3団体が中心。今年1月時点で、構成員は計約1600人に上るという。
主流派の2団体はいずれも施設内に麻原元死刑囚の写真を掲示していることなどから、公安調査庁は絶対的帰依が継続しているとみている。
アレフは、団体規制法に基づく資産報告義務があるが、2年以降、一部を報告していない。公安調査庁は6年2月時点で少なくとも7億円を報告していないと分析。サリン事件などの被害者に対する損害賠償の支払いを免れるためとみている。
ひかりの輪は主流派2団体と距離を置き、アレフや麻原元死刑囚を批判している。ただ、公安調査庁は麻原元死刑囚と同一視される仏画を施設内に掲げていることなどから、現在も影響を受けているとみている。